「日本精神」には、世界平和のヒントがある ー 一般社団法人日本精神復興促進会

なぜ「神風」が吹いたのか~元寇と北条時宗

来年2024年は、元寇すなわち蒙古襲来から750 年になる。当時と同様に、日本には西からの国難が迫っている。ミサイルを乱射する北朝鮮、台湾への威嚇を強める中国だけでなく、泥沼の戦争を始めたロシアも日本の隣国である。また、中東での紛争も収まる気配がなく、世界を見渡してもいつどこで争いごとが起こるのか、予測不能の時代といえる。

大塚寬一総裁より訓話にて

「一国一家の興亡盛衰というものは、その中心人物の精神の持ち方、精神力の如何によって決まるといってよいのである」

「当時の日本は、精神的に一致団結していたから、神国本来の『神の加護』を受け、二度とも〝神風〟が吹いて、蒙古軍は海底の藻屑となってしまった」

と拝聴している。
元寇のとき鎌倉幕府の執権職にあった当時20 代の青年・北条時宗を中心に日本人が団結したことによって、神に守られたのである。


江戸時代の著名な歴史家である頼山陽は「蒙古来」と題した漢詩の中で「相模太郎(時宗)の肝っ玉は甕のように大きい」と讃えている。「元の大軍が押し寄せて日本が敗北寸前だったところを、台風のおかげでかろうじて助かった」ように思い込んでいた歴史観をこの漢詩が覆し、鎌倉武士の武勇を轟かせた。


鎌倉武士は重装弓騎兵(蒙古は軽装弓騎兵)に分類され、和弓の威力が強く正確なため、スナイパーのように遠方の指揮官を射る戦法で元軍を敗走させた。伊予水軍の河野通有が自船の帆柱を切り倒して敵船に乗り移り、敵将を捕獲した奮戦は武士の鑑とされている。弘安の役で元軍は鎌倉武士に阻まれて2か月近く上陸・侵攻できず、海上に足止めされていたからこそ、台風が神風になったのである。


モンゴル帝国は人類史上初めてユーラシア大陸の東と西を統合した国であり、真の世界史はモンゴル帝国から始まるとされている。そんな帝国の絶頂期にこれを撃退した北条時宗は、世界史上に輝く英雄といえる。


さて、現在国難に直面している我が国においては、憲法の改正、国防の強化が急務なのはもちろんだが、もっと大事なのは国民が精神的に団結して、自分の国は自分たちで守るという気概を持つことだ。国民一人一人の国防意識の向上が強く望まれる。